[1P-34*] 18残基チオエーテル結合環状ペプチドのシミュレーションデータの解析
近年、低分子医薬品と高分子医薬品の「中間点」に位置するペプチド医薬品が注目されている。これは、複数のアミノ酸からなる化合物「ペプチド」を適用することによって調製され、特に標的タンパク質に作用し、開発コストを削減することができる。先行研究では、18残基のチオエーテル結合環状ペプチドであるPB1m6(P6)とPB1m7(P7)が、セマホリン4D(Sema4D)とプレキシンB1(PlxnB1)の間の親和性を低下させることにより、タンパク質間相互作用(PPI)阻害活性を示すことが明らかとなった。さらに、P6はP7と比較してはるかに低い濃度で阻害活性を示した(P6:= 3.5 [nM] / P7:= 192.3 [nM])[1]。したがって、P6はP7よりもPlxnB1に対して高い親和性を持っていると言える。P6とP7の構造変化を調べるために、PlxnB1から分離したP6とP7のMDシミュレーションを300Kと350Kと400Kの水中で実行した。主成分分析を用いることで、シミュレーションの結果を示し、X線実験で得られたPlxnB1に結合した構造と分離された構造の違いを調べた。