[1P-49*] 化膿レンサ球菌のマルトース/マルトデキストリン結合蛋白質SPs0871の特性評価及びその機能を阻害するVHH抗体の探索
化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)が引き起こす感染症に対しては、抗生物質を用いる治療が主流であるが、耐性菌の出現が報告されており、これに代わる治療法が必要とされている。そこで低コストで加工が容易なVHH抗体による標的蛋白質の制御に注目した。SPs0871はその配列相同性からマルトース/マルトデキストリン結合蛋白質と推定されている。マルトース/マルトデキストリン結合蛋白質は、病原性に欠かせない炭水化物の代謝に必要なマルトース/マルトデキストリンを取り込むABCトランスポーターの構成蛋白質である。本研究では、SPs0871がマルトース/マルトデキストリン結合蛋白質であるか解析を行うとともに、SPs0871特異的に結合しマルトース/マルトデキストリン獲得を阻害するVHH抗体を取得することを目的とした。
まず等温滴定型カロリメトリーを用いた解析により、マルトトリオース・マルトテトラオース・マルトペンタオースとの発熱を伴う結合が観察されたことから、マルトデキストリンを輸送するトランスポーターとしての機能が示唆された。
VHH抗体取得に向けて、SPs0871を抗原としてアルパカ免疫およびファージディスプレイ法を用いたセレクションを行い、SPs0871に対して高い親和性を持つVHH抗体(VHH5)を1クローン獲得した。表面プラズモン共鳴により、VHH5がSPs0871と解離定数 1.62 nMで結合すること、さらに等温滴定型カロリメトリーにより、このVHH5がSPs0871とマルトデキストリンの結合を阻害することが示された。
まず等温滴定型カロリメトリーを用いた解析により、マルトトリオース・マルトテトラオース・マルトペンタオースとの発熱を伴う結合が観察されたことから、マルトデキストリンを輸送するトランスポーターとしての機能が示唆された。
VHH抗体取得に向けて、SPs0871を抗原としてアルパカ免疫およびファージディスプレイ法を用いたセレクションを行い、SPs0871に対して高い親和性を持つVHH抗体(VHH5)を1クローン獲得した。表面プラズモン共鳴により、VHH5がSPs0871と解離定数 1.62 nMで結合すること、さらに等温滴定型カロリメトリーにより、このVHH5がSPs0871とマルトデキストリンの結合を阻害することが示された。