[2P-07] Pressure effects on the cyanobacterial circadian clock
シアノバクテリアの概日時計はKaiA、KaiB、KaiCの3つのタンパク質とATPで構成され、in vitroでKaiCのリン酸化サイクルが再構成可能である。概日周期はリン酸化KaiC割合の周期的な変化として観測され、KaiCのATPase活性が周期長決定因子であることが分かっている。これまでの研究において、シアノバクテリアの概日時計が高圧下で早くなることが報告されており、200気圧までの範囲で検証されている(Kitahara et al. Sci. Rep. 2019)。そこで今回我々はシアノバクテリアの概日時計に300気圧、400気圧と更なる圧力をかけて実験を行い、加圧とともにさらに周期長が短周期化し、ATPase活性が増加することを見出した。また、KaiCのCIドメインとCIIドメインのATPase活性の比較から、加圧による活性増加割合はCIIの方が大きいことが分かった。圧力によるATPase活性の促進、すなわちATP加水分解に伴う負の活性化体積から、体積収縮がATPや水、触媒残基の配置に影響し、より効率的な反応をもたらしたと考えられる。加圧とともに、2つのドメインの活性の和が野生型KaiCのそれより小さくなることから、ドメイン間のアロステリックな活性制御が示唆された。