第21回日本蛋白質科学会年会

講演情報

ポスターセッション

[2P-1] ポスター2(2P-01ー2P-37)

2021年6月17日(木) 14:45 〜 16:45 ポスター会場1

[2P-10] センサー型[FeFe]ヒドロゲナーゼの変異体による水素酸化還元反応

Nipa Chongdar1, James Birrell1, Edward Reijerse1, Wolfgang Lubitz1, 緒方 英明2 (1.マックスプランク研究所, 2.北海道大学低温科学研究所)

ヒドロゲナーゼは分子状水素を分解合成する反応を触媒する酵素である。[FeFe]ヒドロゲナーゼは、活性中心にHクラスターと呼ばれる特異な構造の二核鉄錯体を持っている。この[FeFe]ヒドロゲナーゼは3つのグループに分類されている:(1)標準型または電子伝達分岐型、(2)祖先型、(3)センサー型。例えば標準型[FeFe]ヒドロゲナーゼは、1秒間に10000分子の水素を合成することができる。これまでに標準型[FeFe]ヒドロゲナーゼの活性中心Hクラスターの近傍アミノ酸の変異により活性が減少または消失することが知られている。センサー型ではHクラスター近傍のアミノ酸が標準型と異なっている。このような違いにも関わらず、大腸菌による異種発現と人工的成熟化によって得られた超好熱菌Thermotoga maritima由来センサー型[FeFe]ヒドロゲナーゼ(TmHydS)は標準型と比較して非常に低いが水素触媒活性を示した。本研究ではTmHydSの変異体を複数作成しそれらの機能と分光学的特徴を調べた。S267M変異がもっとも低い活性を示し、このアミノ酸が活性に重要であることが示唆された。