第21回日本蛋白質科学会年会

講演情報

ポスターセッション

[2P-2] ポスター2(2P-38ー2P-88)

2021年6月17日(木) 14:45 〜 16:45 ポスター会場2

[2P-60*] GroELに対するコシャペロニンの互換性を決定する結合強度

増田 恵1, 野村 弥南2, 村越 のどか2, 義原 千花歩2, 小池 あゆみ1,2 (1.神奈川工大・バイオメディカル研究センター, 2.神奈川工科大・院・工)

真正細菌のシャペロニン(GroEL、Cpn60、Hsp60)はミトコンドリアHsp60 とともにI型シャペロニンに分類され、構造も類似している。その機能は、疎水性アミノ酸に富むGroELのH/Iヘリックスへ変性タンパク質が結合したのち、ATP依存的にコシャペロニン(GroES、Cpn10、Hsp10)が結合し、変性タンパク質を空洞に落とし込みフォールディングすることである。一方、T4ファージは宿主の大腸菌GroEL/GroES複合体では折り畳めないGp23を折り畳むためにGroES様タンパク質Gp31を持つ。GroELとの結合部位であるGroESのモバイルループ領域は特徴的な疎水性アミノ酸配列を保持しており、GroELとの互換性はモバイルループが担っていると考えられる。そこで、大腸菌のGroEL/GroES、Thermus thermophilusのTCpn60/TCpn10、酵母ミトコンドリアのmHsp60/mHsp10及び、T4ファージのGp31、φTMAのTMA_044の互換性を検証する目的で、結合強度と基質フォールディング活性を比較した。HPLCゲル濾過クロマトグラフィーを用いた複合体形成解析で、GroELは全てのGroES様タンパク質と複合体を形成したが、TCpn60およびmHsp60は、それぞれ本来の結合相手であるTCpn10とTMA044またはmCpn10とのみ複合体形成をした。等温滴定型熱量測定で得られた解離定数からGroEL/GroES(Kd= 1.00E-12)、GroEL/Gp31(Kd = 1.44E-9)、GroEL/TMA_044(Kd= 1.61E-8)の順に結合が弱くなり、シャペロニンとコシャペロニンの結合強度の違いが、基質フォールディング活性に影響を与えることを示した。