The 21st Annual Meeting of the Protein Science Society of Japan

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Poster Session

[2P-2] Poster 2 (2P-38ー2P-88)

Thu. Jun 17, 2021 2:45 PM - 4:45 PM Poster 2

[2P-63*] Physicochemical analyses of mutations in framework regions of VHH focusing on intramolecular interactions between CDR3 and framework region

Seisho Kinoshita1, Makoto Nakakido1,2, Daisuke Kuroda1,2, Jose M.M. Caaveiro3, Kouhei Tsumoto1,2,4 (1.Dept. of Bioeng., Sch. of Eng., Univ. of Tokyo, 2.Dept. of Chem. Biotech., Sch. of Eng., Univ. of Tokyo, 3.Grad. Sch. of Pharm. Sci., Kyushu Univ., 4.Inst. of Med. Sci., Univ. of Tokyo)

ラクダ科由来の重鎖抗体の可変領域断片であるVHHは、その抗体工学の容易さやバクテリアを用いた大量発現といった利点から様々な応用が期待され、近年研究が進められている。他の動物由来の抗体と比較すると、VHHはより長いCDR3を持つことが特徴であり、また一部のVHHにおいては長いCDR3ループがFramework region (FR)を覆うようなコンフォメーションになっていることが知られている。本研究では既報の抗EGFR VHHをモデル抗体として、FRのアミノ酸残基の改変によるVHHの熱安定性とEGFRへの親和性の変化を物理化学的解析により評価した。VHH単体の分子動力学シミュレーションによるエネルギー計算から、CDR3との分子内相互作用を生じているFRの残基を特定した。その残基への変異導入解析により、熱安定性および親和性の低下が確認され、シミュレーションにより算出された分子内相互作用の重要性が示唆された。この分子内相互作用を考慮した抗体工学の可能性を探るため、上述のVHHの全てのCDRを別のヒト化VHHのFRに移植した合成VHHを作製し、その合成VHHに対して変異導入解析を行った。この合成VHHについて、元のVHHと比較して熱安定性および親和性が低下したが、FRへの変異導入により熱安定性と親和性の上昇が確認された。これらの結果より、FRへの変異導入を行うことでVHHの物性機能向上を図るVHH改変戦略につながると期待できる。