第21回日本蛋白質科学会年会

講演情報

ポスターセッション

[2P-2] ポスター2(2P-38ー2P-88)

2021年6月17日(木) 14:45 〜 16:45 ポスター会場2

[2P-65*] 人工タンパク質ナノ粒子TIP60の多孔性を利用した内外表面のヘテロ修飾

那須 英里圭, 川上 了史, 宮本 憲二 (慶應・理工)

中空・多孔構造を有するタンパク質ナノ粒子は、表面の孔を通じて内部に化合物を取り込むことが可能であり、触媒、薬物送達キャリアなどのためのナノケージとしての利用が期待される。当研究室で構築した人工タンパク質ナノ粒子TIP60は、表面に20箇所の孔を有する中空の粒子であり、その内部空間に化合物を導入可能であることが示唆されていた。本研究では、TIP60表面の孔が、分子を大きさでふるい分けるフィルターとして機能する可能性に着目し、TIP60の内側表面にシステインを導入した変異体と、分子量の異なる6種類のPEGマレイミドを用いた修飾実験によって、TIP60の孔と内部に侵入可能な分子の大きさの関係を検証した。さらに、TIP60の内外表面にシステインを導入した変異体を構築すれば、孔の分子ふるい効果を利用して、TIP60の外側を大きな分子、内側を小さな分子でヘテロに修飾できると期待される。修飾実験の結果を元に、TIP60の孔よりも大きなPEGマレイミドと、小さなチオール含有化合物をモデルとして、PEG化TIP60による酸化還元に応答した小分子化合物の内包・放出を検討した。