第21回日本蛋白質科学会年会

講演情報

ポスターセッション

[3P-1] ポスター3(3P-01ー3P-47)

2021年6月18日(金) 15:15 〜 17:15 ポスター会場1

[3P-17] SPring-8ビームラインにおけるタンパク質結晶からの自動データ収集の現状

平田 邦生1, 松浦 滉明1, 坂井 直樹1, 河野 能顕1, 馬場 清喜2, 水野 伸宏2, 仲村 勇樹2, 熊坂 崇2, 山本 雅貴1 (1.理化学研究所, 2.高輝度光科学研究センター)

 SPring-8において開発したZOOシステムは、従来の回折計(ゴニオメータ)を利用して人間が実行するすべての測定を、高難度な方法も含め自動化することに成功した。このシステムはX線回折データ測定効率を手動測定に比較して3-5倍向上した。現在では、凍結した試料結晶をSPring-8に送りさえすれば来所せずともZOOによる測定が完了し、データが返ってくる(SPring-8 BL45XU/BL41XU/BL32XUで利用可能)。とりわけ、コロナ禍においても多くの国内外の研究者の構造研究を促進することができた。発表ではZOOが実現した測定の内容や、高効率で多数データ取得することで実現した高難度結晶構造解析の実例を紹介し、自動データ収集がもたらした大きな利得や学術的な意義について述べたい。