[3P-87] Optimization of the method to produce IgG-like bispecific antibody using intein-mediated protein trans-splicing
インテインの介在するタンパク質トランススプライシング反応は、2本のポリペプチド鎖の翻訳後連結反応として、数々の有用な分子を生み出してきた手法である。近年は、この方法を二重特異性抗体の作製に応用する研究が盛んになされており、特にIgG型二重特異性抗体の創出については、複数のグループから報告されている。これまでに報告されている方法はいずれも、Cysを含む3アミノ酸残基をトランススプライシング反応のコンセンサス配列としてヒンジ領域に挿入しているが、同領域のCys残基が奇数個になり、作製される分子の一様性の担保が難しいという欠点を有していた。そこで我々は、ヒンジ領域のCys残基を天然型と同じ数にするための分子設計をなし、その取得法の最適化を行った。還元剤やその濃度等の最適化によって、従来の設計よりも作製効率を向上させることに成功した。設計通りの二重特異性抗体としての性質を示すことを、2つの異なる抗原への同時結合や質量分析によって明らかにした。