18:45 〜 19:05
[WS6-03] 圧力軸でみるタンパク質の液液相分離
タンパク質集合体の1つとして液液相分離(LLPS)が知られており、生命現象への関与にも注目が集まっている。LLPSとは、より高濃度なタンパク質が液滴形成するもので、試験管内だけでなく細胞内でも細胞内顆粒として知られているが、その高次構造や熱力学的性質については未解明な点が多い。これまでに、温度やpHなど溶液環境の影響について研究されているが、圧力効果については研究例が非常に少ない。これまでにドイツのR. Winterのグループが、4つのタンパク質(卵白リゾチーム、γ-D-クリスタリン、α-エラスチン、SynGAP/PSD-95複合体のLLPSについて圧力効果を報告しているのみである。興味深いことは、常圧下で安定なLLPSと高圧下で安定なLLPSの2つの状態があることである。我々は、RNA結合タンパク質FUSのLLPSについて圧力と温度を軸に研究を行なった。Winterらの研究成果及びFUSの研究成果について紹介する。