第21回日本蛋白質科学会年会

講演情報

ワークショップ

[WS6] タンパク質の液液相分離―計測、制御、応用―

2021年6月17日(木) 18:00 〜 20:30 チャンネル2

オーガナイザー:鎌形 清人(東北大学)、亀田 倫史(産業技術総合研究所)

19:45 〜 20:05

[WS6-06] 自己成長能を有する人工細胞モデルとオンチップ無細胞バイオシステムへの展望

野地 博行 (東大・工・応化)

自己成長能を有する人工細胞モデルは、自己複製能など高い自律性を有する人工細胞の創出を達成する過程で重要なマイルストーンである。これまで、多様な人工細胞モデルが創出されているが、外からの制御を必要とすることなくDNA/RNA増幅と連動して成長する人工細胞モデルの創出は未だ達成されていない。本発表では、2成分系高分子濃厚溶液でみられる液-液相分離ドロプレットと核酸ポリマーとの新しい相互作用に関する独自の発見に基づいて開発した自己成長能を有する人工細胞モデルについて報告する。また、このシステムに天然変性蛋白質ドロプレットを組み合わせることで達成された「真核細胞型」人工細胞モデルについても紹介したい。このような自律性を有する人工細胞技術は、微小空間における高度な情報処理・物質変換等を可能とする。我々は、マイクロチップ上にこのような人工細胞技術を搭載したオンチップ無細胞バイオシステムの開発にも取り組んでいる。時間が許せば、その状況と展望も報告したい。