第21回日本蛋白質科学会年会

講演情報

ワークショップ

[WS7] バイオ医薬品と遺伝子治療ウイルスベクターの分析・品質管理と規制科学

2021年6月17日(木) 18:00 〜 20:30 チャンネル3

オーガナイザー:内山 進(大阪大学)、石井 明子(国立医薬品食品衛生研究所)

19:40 〜 20:05

[WS7-05] 遺伝子治療用ウイルスベクターの製造

峰野 純一 (タカラバイオ株式会社)

1995年、米国で世界初の遺伝子治療臨床試験が行われてから25年以上経過したが、近年数多くの成果が報告され、2012年にリポ蛋白リパーゼ(LPL)欠損症に対する遺伝子治療製剤がEUで承認されて以来、年間2~3の遺伝子治療製剤が承認されるようになった。2019年に米FDAは、2025年までに年間10~20の細胞・遺伝子治療が承認されると予測している。遺伝子治療で使用されるウイルスベクターは、当初はガンマレトロウイルスベクターとアデノウイルスベクターが主流であったが、近年、安全性や遺伝子発現効率などの理由からレンチウイルスベクターやアデノ随伴ウイルスベクター(AAV)も多く使用されるようになっている。当社は1995年に血球系細胞にガンマレトロウイルスベクターを用いて高効率に遺伝子導入する試薬を開発して以来遺伝子治療に携わり、種々のウイルスベクターの製造と遺伝子導入細胞の調製に関わる技術開発・製造・品質管理、並びにGMP製造施設の整備と運営、QMS体制の構築等を行ってきた。さらに自社におけるex vivo並びにin vivo遺伝子治療臨床開発プロジェクトを進めており、これらの経験を生かしてCDMOサービスを展開している。本ワークショップでは、遺伝子治療に使用されるウイルスベクターの構造、それらの製造と製造設備、品質試験の概要、並びに課題等に関してお話させていただく。