サイエンスキャッスル2018

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[WS103] ポスター発表 奇数

2018年12月23日(日) 10:30 〜 11:20 ポスター/ブースエリア (体育館)

[P-17] 日本海漁業資源調査 ~ヒレグロの秘密にせまる~

本田亮平, 牧之瀬出海 (兵庫県立香住高等学校)

キーワード:ヒレグロ、耳石

<概要>
地元香住の名産であるヒレグロは、日本海に広く分布するカレイ科魚類で、香住沿岸では沖合の底魚類の優占種で水産資源の重要種である。 高等学校の実習船によるトロール調査において漁獲される底生生物の中にヒレグロの変態中の仔稚魚を発見することができれば、仔稚魚の頭部にある耳石を取り出し、輪紋数を数えることで産卵後の経過日数を推定することができる。同時に浮遊期間を推定したり、孵化してからの成長を調べるなどの未解明であった事柄を一気に解明することが可能になるというビッグチャンスが訪れることを期待している。
<考察・展望>
温暖化の兆候により、漁獲される魚種が変化しているようである。生物は水温と塩分の変化には敏感である。これらのことを調べることは極めて重要である。今後は、これらの結果からふ化後の浮遊日数、成長速度が読み取れると伺っている。その方法を一刻も早く身につけ、更なる探求を深めたい。

これらの行動は高校生が自らフィールドに出て、産卵場所の可能性が高い場所を確認することができるところに価値がある。また命の大切さがわかり、情緒豊かなふるさとを愛する人づくりにも一役買うことになる。そのことによって、自分たちの住む町の海が美しく、魚が住みやすい場所でなければならないことがわかる。また、貴重な海を守らなければならないという意識を高めることにも繋がる。さらに、生徒たちが学んだ解析方法は他の魚類でも応用ができるため、その他の調査でも活用して、海や川へと今後より一層幅広い活動を目指し、地域に貢献したい。