[P-59] クマムシの塩眠導入と蘇生条件
キーワード:オニクマムシ、塩眠、tun、蘇生、極限環境耐性、浸透圧
<概要>
NaClを使用してクマムシを塩眠させたところ、NaCl 0.6%から0.7%の間で最も時間の差が大きかった。濃度が低くなるほど個体によって時間が大幅に異なり、NaCl0.3%では約5000秒の差があった。また体内の水分がゆっくりと抜けるため、塩眠にかかる時間は長くなる。NaCl 水溶液0.6%と0.7%の間が臨界濃度で、塩眠できるのは0.4%~2.3%であった。NaCl1.0%前後で安定した塩眠、蘇生時間だったため、塩眠しやすい濃度はNaCl1.0%と考えられる。
NaClを使用してクマムシを塩眠させたところ、NaCl 0.6%から0.7%の間で最も時間の差が大きかった。濃度が低くなるほど個体によって時間が大幅に異なり、NaCl0.3%では約5000秒の差があった。また体内の水分がゆっくりと抜けるため、塩眠にかかる時間は長くなる。NaCl 水溶液0.6%と0.7%の間が臨界濃度で、塩眠できるのは0.4%~2.3%であった。NaCl1.0%前後で安定した塩眠、蘇生時間だったため、塩眠しやすい濃度はNaCl1.0%と考えられる。
<考察・展望>
外界が乾燥して起こるクマムシの乾眠では、温度が高く、湿度が低すぎると早く乾燥するため、体内の水分を抜くための時間がない。塩眠においても濃度が濃いと体内の水分を抜く時間が少なくなるため、活動状態のまま固まった。濃度が低いと体内の水分がゆっくりと抜けるため、塩眠にかかる時間は長くなる。NaCl1.0%で安定した塩眠、蘇生時間だったため、塩眠しやすい濃度はNaCl1.0%と考えられる。今後は、蘇生に要する時間を濃度を細かく分けて調べ、NaClによってtun状態になったクマムシにも乾眠時と同じような耐性があるのか調べる。
外界が乾燥して起こるクマムシの乾眠では、温度が高く、湿度が低すぎると早く乾燥するため、体内の水分を抜くための時間がない。塩眠においても濃度が濃いと体内の水分を抜く時間が少なくなるため、活動状態のまま固まった。濃度が低いと体内の水分がゆっくりと抜けるため、塩眠にかかる時間は長くなる。NaCl1.0%で安定した塩眠、蘇生時間だったため、塩眠しやすい濃度はNaCl1.0%と考えられる。今後は、蘇生に要する時間を濃度を細かく分けて調べ、NaClによってtun状態になったクマムシにも乾眠時と同じような耐性があるのか調べる。