Seismological Society of Japan Fall Meeting

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Poster session (Sept. 16th)

General session » S15. Strong Ground Motion and Earthquake Disaster

S15P

Mon. Sep 16, 2019 5:15 PM - 6:45 PM ROOM P (International Conference Halls II and III)

5:15 PM - 6:45 PM

[S15P-16] Seismic isolation system for furniture

*Tesshin Noma1, Syuntaro Hayashi1, Ken'ichi Arai1 (1. Sakae Higashi High School)

近年,地震対策として,免震装置が多くの注目を得て多用されている。免震装置の最大のメリットは,建物自体の被害はもちろんとして建物内の被害まで抑えられることにあるだろう。私は,もしこれが家具に導入できたらどうだろうかと考えた。

ここで食器棚を例にとって考えてみよう。建物自体が食器棚で,建物内のものが食器である。食器棚には免震装置が導入されている。このとき,免震装置が導入されていることによって食器棚の転倒を抑えてかつ中の食器が割れることを防げるということになる。現在,家具は固定して転倒を防ぐというのが推奨されているがこれでは中の食器まで守ることはできない。

家具の下に取り付けることから考えて,免震装置は積層ゴム構造を用いる。積層ゴム構造とは,柔らかい素材と硬い素材の板状のものを層状に積み重ねて作った免震構造のことである。硬い素材が間に挟まれているので,垂直方向の圧力には強くなっている。これを柱として使うことで,支えるものの固有振動数の揺れをできるだけ抑えることにより,免震をしようというわけである。

本研究の目的は,高さ2mほどの大型家具に対する家具用免震装置の素材を見つけることである。寺屋・他(2015)によると,(表1)のような2つの本棚で,床材がじゅうたんの場合は0.6Hz,1.0Hzで転倒し,フローリングの場合は0.6Hzで加速度が大きくなる傾向があった。よって0.6〜1.0Hzの揺れを抑えることができれば,免震ができるのではないかと考えた。

(図)の実験装置は家具の模型2つを台車の上に設置したものである。片方の模型の下には免震装置,もう片方には単なる木材が柱として入れてある。この実験装置全体を矢印の方向に動かし,模型に振動を加える。

合計3台のスマートフォンを模型の上と台車の上に取り付ける。(図)の実験装置全体を矢印の方向に手動で動かす。スマートフォン内の加速度センサーで50Hz,512点の加速度データをとる。このとき,データとノイズの区別をしやすくするため,1つの免震装置につき0.6〜0.8Hzと0.8〜1.0Hzまでにピークがくるような揺れを20回ずつ与える。この範囲のみが信用できるデータとする。このデータをそれぞれフーリエ変換し,(免震装置が入っている模型のデータ)/(免震装置が入っていない模型のデータ)をする。これを常用対数で表し,平均をとる。本研究ではこれを「変化率」と呼ぶことにする。ただし1%の増減は誤差とするから,0.002以上であれば揺れが増幅,-0.002以下であれば軽減,その間であれば変化なしということになる。また,もう1つの指標としてSS を使う。SSとはSign Sumの略であり,本研究で命名したものである。今回の場合(0.002以上のデータ数)-(-0.002以下のデータ数)のことである。

「変化率」とSSが両方とも負を示せば,その周波数の揺れが軽減されたと言って差し支えないだろう。

以上の方法を用いて実験をする。今回は研究の第一歩として(表2)に示す2種類の免震装置を用いた。

今後は模型に重りをつけて実際の条件とできるだけ近づけることも検討していきたい。