The 2021 SSJ Fall Meeting

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Room A

Regular session » S04. Tectonics

PM-1

Fri. Oct 15, 2021 1:30 PM - 2:45 PM ROOM A (ROOM A)

chairperson:Atsushi Nakao(JAMSTEC), Shinji Yoneshima(Earthquake Research Institute, the University of Tokyo)

1:30 PM - 1:45 PM

[S04-01] Exploring the Geometry of the Philippine Sea Plate beneath Hokuriku region

〇Kazuki MIYAZAKI1, Junichi Nakajima1, Nobuaki Suenaga2, Shoichi Yoshioka2,3 (1.Tokyo Institute of Technology, 2.Research Center for Urban Safety and Security, Kobe University, 3.Faculty of Science, Graduate School of Science, Kobe University)

西南日本下に沈み込んでいるフィリピン海プレートの形状は地震波トモグラフィーをはじめとした手法を用いて詳細に決定されており(例えばNakajima et al., 2009; Liu and Zhao,2016など)、特に四国・中国地方下に沈み込むフィリピン海プレートは日本海下約400kmの深さまでイメージングされている。一方で、北陸地方下では約140kmまでしか形状が確認されておらず、現在理解されているフィリピン海プレートの沈み込み量は東西で大きく異なっている。四国海盆の拡大以降、フィリピン海プレートが一定の速度で西南日本下に沈み込み続けているとするモデル(Seno and Maruyama, 1984)に基づいて沈み込み量を推定すると、北陸地方下のフィリピン海プレートには未発見の部分が存在すると考えられる。この地域のフィリピン海プレート形状を新たに決定することによって、フィリピン海プレートの沈み込みの歴史や、陸上の火山との関連性、さらに太平洋プレートとの相互作用に伴うプレートの変形量から沈み込むプレートの物性について新たな知見を提供することができると期待される。

 そこで、本研究では若狭湾から佐渡島にいたる北陸地方下におけるフィリピン海プレート形状を明らかにすることを目指す。本研究では中部日本下の、太平洋プレートと地表に囲まれた領域の構造を求めるため、主に太平洋プレート内で発生する深発地震を用いた走時トモグラフィーを行なった。結果として、現在決定されているフィリピン海プレート形状より深部へと繋がる連続的な低速度構造がイメージングされた。また、太平洋プレートと接する一部の領域では、太平洋プレートの上に乗り上げるような低速度構造も見られた。次に、フィリピン海プレートと太平洋プレートの沈み込みにおける相互作用を二次元の粘性流体を仮定してシミュレーションしたところ、中部日本下に沈み込んだフィリピン海プレートが、より高速で沈み込む太平洋プレートによって深部に引き込まれるような結果が得られた。以上のことから、北陸地方下のフィリピン海プレートは、地下で太平洋プレートと衝突し相互作用を受けた結果、形状・温度ともに特異的な状態であると予想される。そのため、この領域のプレート形状をより詳細に決定するためには、様々なアプローチを用いる必要があると考えられる。また、本講演では、ScSp波とScS波の波形を用いて、走時とは独立に北陸地方下のフィリピン海プレート上面の形状を明らかにするとともに、粘性流体を仮定した数値シミュレーションにより沈み込んだフィリピン海プレートの温度構造を計算することで、トモグラフィーを行なった際にイメージされるフィリピン海プレートの速度偏差についても触れる予定である。