The 2021 SSJ Fall Meeting

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Room A

Regular session » S12. Rock experiment, rock mechanics, and crustal stress

PM-1

Sat. Oct 16, 2021 2:15 PM - 3:00 PM ROOM A (ROOM A)

chairperson:Kentaro Omura(NIED)

2:45 PM - 3:00 PM

[S12-03] Experimental evaluation under hydrous condition on thermal maturation of carbonaceous materials as a proxy of frictional heating in a fault during an earthquake

〇Keita IWAGAKI1, Tetsuro Hirono1 (1.Department of Earth and Space Science, Graduate School of Science, Osaka University)

地震性滑りの指標として,断層中に含まれる炭質物の熱熟成反応が挙げられる.この反応は断層中の摩擦発熱による温度上昇の推定に広く用いられる,温度上昇に伴う不可逆的な反応である.しかし,実際の地震発生時の断層は水で満たされているにもかかわらず,水が炭質物の熱熟成反応に及ぼす影響についてはこれまで精査されていない.そこで本研究では,初期熟成度の異なる2種の炭質物(褐炭,瀝青炭)を用い,水と共にガラス管に真空封入し,加熱処理を実施し,水の炭質物の熱熟成度の変化への影響を実験的に精査した.加熱実験では,炭質物-水量比(乾燥状態, 2:1, 1:4),ターゲット温度(350, 700, 1050 °C),最高温度保持時間(40 s, 1, 3, 5 h)を変化させて加熱を施し,その後,実験後試料において,赤外・ラマン分光分析による分子構造の解析を行った.その結果,炭質物-水量比が2:1における350, 700, 1050 °Cでの40秒~5時間の加熱,1:4における350 °Cでの1, 3, 5時間の加熱による官能基の離脱に,水の有無による有意な差が認められなかった.また,ラマン分光分析については現在解析中である.赤外分光分析の結果から,水は炭質物の熱熟成反応に影響を及ぼさないと言える.本発表ではさらに現在解析中のラマン分光分析の結果も踏まえ,これまで構築されてきた地震時の摩擦発熱指標としての炭質物の熱熟成反応を評価する.