日本地震学会2021年度秋季大会

講演情報

ポスター会場(1日目)

一般セッション » S19. 地震一般・その他

P

2021年10月14日(木) 15:30 〜 17:00 P6会場 (P会場)

15:30 〜 17:00

[S19P-02] 「防災対策に資する南海トラフ地震調査研究プロジェクト」:これまでの成果と今後の計画

〇小平 秀一1、藤原 広行2、高橋 成実1,2 (1.海洋研究開発機構、2.防災科学技術研究所)

最近の研究成果により南海トラフにおける多様な巨大地震発生様式や複雑なプレートすべり・固着の現状が指摘され、それら科学的な知見や観測データを取り入れた防災対応の検討が求められている。本プロジェクトは、南海トラフ地震に備えるため、2020年度より5カ年計画の予定で開始され、現在、以下の三つの課題を実施している。
「課題1地殻活動情報創成研究」目的:南海トラフの地殻活動の現状や通常と異なる現象を観測した際に、それら観測情報を迅速かつ精度よく評価し情報発信する手法を開発する。取り組み:最新の観測データに基づいて南海トラフ地震発生帯の海陸統合3Dモデルを構築し、そのモデルと海陸統合地震・地殻変動データを活用した地震活動・プレート固着すべりの現状把握・推移予測を行うシステムを構築する。
「課題2地震防災情報創成研究」目的:発信された情報を被害軽減に最大活用するためのシステムを構築し、平時や通常と異なる現象が観測された場合、防災対策のあり方、実行方策について検討する。取り組み:巨大地震や通常と異なる現象発生の多様性も取り込んだ地震や津波ハザードやリスクの防災情報基盤を創生し、それら情報を活用し、”命、地域産業、都市機能“を守るための総合的な研究を実施する。
「課題3創成情報発信研究」目的:課題1,2等で進めた研究成果が被害軽減の向上にどのように貢献したか定量的な評価を行い、地域防災・減災計画に向けた効果的な研究開発項目を明らかにする。取り組み:地域での情報発信検討会等を通して、地域防災力の向上のために事前準備、災害時対応、災害後対応の各ステージで地域防災に活用するための情報発信の在り方を検討する。
さらに、プロジェクト成果の最大活用に向けて、防災情報基盤で活用するための地震発生シナリオや地震発生帯モデルの構築などの課題間連携の強化も進めている。本発表ではこれら課題間連携の検討結果を含み、本プロジェクトのこれまでの成果と今後の計画について報告する。