一般社団法人 日本医療情報学会

16:50 〜 18:20

[TS-6] HL7 FHIRをどう導入するか

本チュートリアルでは、次世代標準規格として注目されているHL7 Fast Healthcare Interoperability Resource(FHIR)を各自で導入する手段について、ハンズオン形式でサンプルコード作成を体験する。
FHIRが注目されている理由は、その相互運用性の高さ、つまりシステム間でデータを交換する際のAPIとしての実用性を備えていることにある。医療情報システムでは、例えば双方向にデータを連携するEHRへの応用が期待されるが、それに限らず健康や介護との連携にスマートフォンやIoTデバイス等を活用する際にも力を発揮するものと考える。
本チュートリアルでは、まずFHIRについて概説したのち、「DIY(Do It Yourself)で作る」をキーワードに、FHIRを介したデータ連携のサンプルコード作成をハンズオン形式で進める。FHIRについては、その根幹となるフレームであるJSON(JavaScript Object Notation)とREST(REpresentational State Transfer)を紹介した上で、検査項目を実例として基本的な仕組みの解説から始める。サンプルコードの作成には身近なプログラミング言語であるVBAを用いるため、情報システム初心者やFHIRを知らない方にも参加いただける内容であると考える。また、FHIRのような枠組みを導入するには、どのようなプログラミング・データベース技術が求められるのかについても、将来展望を含めて紹介する。
前述の通りFHIRはDIYに適した規格であり、アプリ開発のように様々な機能を自ら開発したり、幅広いベンダからオープンに開発を募ることも可能となる。一方で「8割を表現する」と言われるように、網羅性の担保はされていないため、医療情報を扱う際には注意も必要となる。本チュートリアルは、まず「FHIRをどう使うのか」「何ができるのか」を知るための1ステップであると認識いただければ幸いである。