一般社団法人 日本医療情報学会

[2-B-3] PHRとしてのCOVID-19関連情報の利用

*藤田 卓仙1,2 (1. 慶應義塾大学、2. 世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター)

PHR, COVID-19, Digital COVID-19 Certificates, HL-7, SMART Health Card

COVID-19のパンデミックはまだ続いているが、ワクチン接種が進むにつれて新たなフェーズに入りつつある。
EUにおいては、国境往来やイベント参加等のための証明書(EU Digital COVID Certificate))に関して、2021年4月22日にEU加盟国内での仕様の合意がなされ、運用が2021年7月1日から始まっており、イスラエルなどワクチン接種が進んでいる国ではワクチンパスポートが導入されている。米国においては、州ごとに対応が異なるが、ワクチンパスポートの導入が一部の州では進んでいる。
一方で、WHOでは、COVID19に関するデジタル証明書(Digital Documentation of COVID-19 Certificates)のガイダンスが7月27日に提示されているが、公平性の観点などから、ワクチンパスポートの導入に関しては慎重な姿勢も示している。
日本においては、こうした動向も踏まえ、7月26日から「紙で」ワクチン接種証明書が出されている。
デジタルでのワクチン接種歴の提示は、世界において民間主導で進められつつあるが、ワクチンへのアクセスに関する公平性の観点に加え、変異株への対応の観点からも、ワクチン接種証明のみを渡航等の条件として課すことは考えにくく、PCR検査結果や抗体検査結果等、様々な情報の提示が引き続き求められる可能性が高い。
また、国によっては、入国後の位置情報の把握や接触情報の把握などを求める場合もある。
本ワークショップでは、PHRとして個人がワクチン接種その他のデータを持つことでこうした海外渡航やイベントの参加等に用いることに関して議論を行う。
まず、藤田からコモンズプロジェクトの取り組みやワクチンパスポートの動向等、全体像の提示を行う(15分)。次に大越から、渡航医学・感染症対策の観点からのこうした取組みへの期待等について述べる(15分)。また、中島からは、PHRとしてのこうした取り組みの展開可能性やHL7 FHIRを用いることによる相互運用性の担保等について述べる(15分)。吉峯からは、こうした健康証明の活用の法的な課題等に関して述べる(15分)。最後に、会場も含めて、今後のパンデミック対策としてのPHR活用の可能性に関して検討を行う(30分)。