一般社団法人 日本医療情報学会

[2-C-3-02] HL7 FHIR Questionnaireを用いた構造化テンプレート及びHL7 FHIRファサード型の検証・評価

*高橋 光政1、杉山 順一1、中島 一朗1、大森 裕美子1、石井 誠一1 (1. 富士通Japan株式会社)

診療データは利活用し易いデータ(構造化データ)と、フリーテキスト入力等の利活用し難いデータ(非構造化データ)がある。効果的なデータ利活用には非構造化データを構造化すること、また、電子データ化されていない情報については入力を促進することが不可欠である。各種症例収集事業において、効率的に構造化データを活用でき、かつ構築・運用・メンテナンスが容易に可能な、新たな症例収集基盤が求められている。
厚生労働省が推進する難病全ゲノム計画において、共通化された電子カルテシステムの構造化テンプレート及び標準規格(HL7 FHIR)を用いた症例登録が計画されている。
昨年度、新しい症例収集基盤のプロトタイプについて下記コンセプトにて構築し、症例登録の検証・評価を実施した。

親和性:診療現場で違和感なく利用できるテンプレート、電子カルテシステムとのデータ連携
運用負荷の低減:構築・運用・メンテナンスリソースを低減
標準化:テンプレート定義や連携インターフェースをHL7 FHIRに準拠し利活用促進

HL7 FHIRに準拠した標準テンプレートプロトタイプを準備し、電子カルテシステムへ実装、検証および評価を行った。 もととなるテンプレートはJASPEHRプロジェクトにおいて検討・共通化されたHL7 FHIR Questionnaire形式のJSONファイルを用いて作成した。
慶應義塾大学病院様の環境にて症例登録用の標準テンプレートサーバおよび、症例登録の負荷軽減と、HL7 FHIR Patientリソースの検証を目的としたFHIRサーバを構築し、検証・評価を実施した。
Questionnaireはレイアウト情報の定義が無いなど、実運用上での課題が本検証で明確になった。また、データセンターや他社製電子カルテシステムとの連携、新規のテンプレート開発、導入拠点病院のシステム構成に伴う新規課題について継続して検討が必要である。