一般社団法人 日本医療情報学会

[2-D-2] RRSへの臨床現場への対応―病院情報システムを用いた診療補助の可能性―

*岡垣 篤彦1、藤谷 茂樹2、木村 哲也3、山本 康仁4 (1. 国立病院機構大阪医療センター、2. 聖マリアンナ大学、3. 京都府立医科大学、4. 都立広尾病院)

Rapid Response System, Hospital information system, Sudden hospital emergency

Rapid Response system(RRS:院内急変対応システム)とは院内急変の発生を防ぎ、コードブルーを未然に防ぐシステムである。RSSの導入により治療中の患者の「予期せぬ死」を大幅に減らせる可能性があるとのエビデンスが出されており、世界各国で導入が進んでいる。RRSは入院患者より取得した生体情報に関するスクリーニングであり、医療情報システムがその運用や効果発揮に貢献できることが期待される。一方、一般病院ではRRT (Rapid response team)の人材確保や教育育成、運用においてスタッフにかかる負担をいかに軽減するかなどの課題も多い。聖マリアンナ大学は2010年度からRRSを導入し,多くの臨床データーを発表し、RRSの重要性を国内にしらしめる活動を行なっており、これまで蓄積した導入にかかる問題点や臨床的効果、活動実績等を提示する。以下の医療機関においてはオリジナルな先進的な仕組みを実装して人的負担を減らし高い効果を得ているが、システムの内容について提示を行い、実装に至る問題点や臨床的効果を提示する。京都府立医科大学ではRRS対象者を病院情報システムの情報を元に抽出するシステムを作成し、すでに十数ヶ所の病院に提供している。都立広尾病院では、RRSを構築する過程で病院情報システムからシステム起動対象を選別し、認定看護師にむけ速報をPHS回線を通じて音声で連絡する仕組みを試している。国立病院機構大阪医療センターでは、急変患者の治療内容を電子カルテに高速かつ詳細にリアルタイムで記録し、記録内容から処置、処方を自動抽出しオーダー発行する仕組みを実装した。