一般社団法人 日本医療情報学会

[2-D-3] 地域の医療構想を支援するためのオープンデータを用いた医療需要と提供を可視化する具体的な手法の検討

*宮原 勅治1、石川 光一2、藤森 研司3、小塩 誠4、杉原 博司5 (1. 岡山県備北保健所、2. 国際医療福祉大学大学院、3. 東北大学大学院医学研究科、4. 社会保険田川病院、5. 医療法人林病院)

NDB, DPC, Bed Function Report, Regional Healthcare Concept, Open Data

今後の人口減少・高齢化に伴う医療ニーズの質・量の変化や労働力人口の減少を見据え、質の高い医療を効率的に提供できる体制を構築するためには、医療機関の機能分化・連携を進めていく必要がある。こうした観点から、各地域における2025年の医療需要と病床の必要量について、医療機能ごとに推計し、都道府県は地域医療構想を策定し、2023年度までかけて第8次医療計画の策定作業が進められるが、地域医療構想に係る民間医療機関も含めた各医療機関の対応方針の策定や検証・見直しが求められている。
 2025年の医療需要と病床の必要量を推計し、目指すべき医療提供体制を地域の医療機関全体で作り上げていくためには、従来から蓄積された医療情報の膨大なデータを用いて、まず、地域の医療ニーズを推計し可視化することから着手される。 こうした可視化や分析を個々の医療機関で行い、それぞれの結果を持ち寄り、突合して検討・調整し、お互いの医療機関で補完の関係を築いていくのが望ましい。また、地域内(2次医療圏など)で医療提供が完結できない場合は、地域を跨いだ患者の流入流出が発生し、これを可視化しておく必要がある。このようなデータの可視化や分析の過程に、医療情報技師の活躍も期待されよう。
 そこで、誰にでも入手できるオープンデータ(NDBや病床機能報告など)を用いて、ある程度の手法の統一感をもって加工・可視化すれば、それぞれの医療機関や地域の間で比較・検討することが容易になる。どのようなオープンデータを用いて、どのように加工・可視化するのがよいか、その具体的な手法を、知識と知恵を集めて検討したい。
1) オープンデータを用いた地域の医療ニーズ(診療行為の発生数)の推計と可視化の方法
2) オープンデータを用いた地域の各医療機関の診療行為の実績値の可視化の方法
3) オープンデータを用いた地域を跨ぐ患者の流入流出の推計と可視化の方法