一般社団法人 日本医療情報学会

[3-A-3] ビッグデータ・AIが拓く未来の医学・医療

*田中 博1、平田 健司2,3,4,5 (1. 東京医科歯科大学、2. 北海道大学大学院医学研究院画像診断学教室、3. 北海道大学大学院医学研究院医理工学グローバルセンター、4. 北海道大学大学院医療AI教育研究分野、5. 北海道大学病院核医学診療科)

Medical Big Data, AI, Data-driven Medical Science and Practice

近年、医学・医療の分野にも、ビッグデータ、AI による情 報・知識革命の進行が波及しつつある。(1) ヒトゲノム解読の シーケンサの驚異的な発達による「ゲノム医学」の臨床実装、 (2) 大規模 population-based 前向きコホート、「バイオバンク」 による数十万人の遺伝情報と環境情報の集積、(3) Wearable Sensor による生理変量の連続測定に基づくモバイルヘルス データの蓄積、(4) 電子カルテデータを大規模集積した real world dataの登場など、急速に発展する大規模・大量な医学・ 医療データに取り込まれて、医学・医療の枠組み・骨格が次 第に変革を遂げつつある。この変革を加速しているのは、近 年の深層学習が齎した人工知能(AI:Artificial Intelligence) の革新的発展である。新しい AI は、医学・医療のビッグデー タから、ヒトのこれまでの知識に頼らず、「教師なし学習」によ って「新しい医学・医療知識」を自動発見する。そのことで「デ ータ駆動型医科学や医療」の新しい地平を築きつつある。こ のような新しい革命の意義・切り開く地平を深く理解し、それ を担う次世代の医療者を育てることについて、本セッションで 深く検討したい