一般社団法人 日本医療情報学会

[3-E-2-02] デジタルヘルスと糖尿病性腎臓病
- DialBeticsPlusを用いたランダム化比較試験 -

*脇 嘉代1、大江 和彦2 (1. 東京大学大学院医学系研究科医療情報学分野、2. 東京大学医学部附属病院企画情報運営部)

digital health, diabetic kidney disease, life-style, self-management

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより医療資源は逼迫し、通院や対面診療はウイルス感染のリスクを高めると懸念されている。特に糖尿病患者はCOVID-19の重症化リスクが高いとされており、パンデミックによる都市ロックダウンや外出自粛による受診中断、生活習慣の変化、運動量の低下、ストレス等からも血糖管理の悪化による糖尿病性腎臓病(diabetic kidney disease, DKD)をはじめとする合併症の重症化が危惧されている。特にDKDについてはCOVID-19への感染リスクが高く、それに伴う入院および死亡率が高いことが報告されている。そうした中、国際的にも従来式の医療に代わって、ICT・IoTを利活用する提言がなされ、デジタル治療(digital therapeutics)が加速している。DKD についても例外ではない。日本腎臓学会と日本医療情報学会でもICT・IoTを用いた自己管理やパーソナルヘルスレコード(PHR)の利用の進めていくことの重要性が相互に確認されている。本シンポジウムでは日本腎臓学会、日本糖尿病学会、日本医療情報学会の3学会の合同事業として実施された循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策実用化研究事業「ICTを活用したDiabetic Kidney Diseaseの成因分類と糖尿病腎症重症化抑制法の構築(19ek0210095h0003)」(平成29年4月1日〜令和2年3月31日)のうち、「糖尿病性腎症重症化抑制のためのICTシステム(DialBeticsPlus)の開発」について報告する。