Japan Association for Medical Informatics

[3-G-2-01] 薬剤補助員へタスク・シフト/シェアするための視点およびデータ活用術

*Satoru Yamanaka1 (1. Otsu City Hospital Department of Pharmacy)

Pharmacist Assistant, Medical Information System, End User Computing, EUC

2024年4月から適用される予定の「医師の働き方改革」。それに伴い厚生労働省医政局は、令和3年9月30日付で「現行制度の下で実施可能な範囲におけるタスク・シフト/シェアの推進について」を各都道府県知事宛に通知を行っている。この通知は、「医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会」の議論の整理の内容を踏まえ、現行制度の下で医師から他の医療関係職種へのタスク・シフト/シェアが可能な業務の具体例やタスク・シフト/シェアを推進するに当たっての留意点等について示している。
 医師の働き方改革を実現するため、薬剤師数を増員させることで対応することは手段の一つであるが、人員定数や薬剤師の地域偏在により、増員が困難である場合が往々にして存在する。このような状況下において、次の手段となるのが、薬剤師業務のタスク・シフト/シェアである。薬剤師業務を薬学的専門知識の必要なコア業務、それほど必要ではないノンコア業務に分け、ノンコア業務については薬剤補助員へタスク・シフト/シェアを行うことによって、増加した薬剤師コア業務時間の確保する方針とした。
 ただ、薬剤補助員として採用する人材は医療に携わっていない場合も多く、カタカナや略語の多い医療用語、診療報酬制度、法律、多職種連携・電子カルテなどに加え、薬剤に関連する同時並行業務の理解を得るには年単位の時間を要する。このような環境下において安全な医療を確保しつつ効率的かつ効果的にタスク・シフト/シェアを行うためにはシステムフォローが必要である。しかし、薬剤補助員をフォローするシステムは電子カルテおよび部門システムにはほとんど存在しない。そこで、薬剤業務および医療情報システムを熟知している薬剤師がEUCを行うことによって、問題解決の糸口となるのではないだろうか。