2017年秋の大会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 306-1 原子力安全工学(原子力施設・設備,PSAを含む)

[2C01-06] PRA1

2017年9月14日(木) 09:30 〜 11:05 C会場 (B1棟 オープンホール)

座長:五福 明夫 (岡山大)

09:45 〜 10:00

[2C02] 人間信頼性評価の高度化検討

(1)定性分析に“叙事知(Narrative)”の概念を導入したHRAガイドの開発

*桐本 順広1、三浦 弘道1、長坂 彰彦1、神田 憲一1、阿部 数馬2 (1. 電力中央研究所、2. 東北電力)

キーワード:人間信頼性評価(HRA)、確率論的リスク評価(PRA) 、叙事知、運転員応答図

国内の確率論的リスク評価(PRA)で使用されている人間信頼性評価(HRA)のパラメータには、人間行動の失敗をモデル化する米国NRCのNUREG報告によるTHERP手法を用いており,認知の失敗に対しては時間信頼性曲線に基づく方法を引用している。また、定量化に用いる人的過誤率(HEP)の値も当該NUREGに付随する文献値を引用している。一方、現在のHRA研究では,認知/診断失敗に至る文脈による人的過誤の支配がHRAには影響が大きく、分析者の主観によるHRAの結果のばらつきに対しては体系的な定性分析の実施が重要であることが認識された。
電中研NRRCは、近年のHRA研究で重要視される定性分析のための概念である”叙事知(Narrative)”を、NUREG-2199等で提案されている運転員応答図(CRD: Crew Response Diagram)等の分析方法を中心に導入し、定量化手法には認知/診断失敗の文脈をモデル化するデシジョンツリー手法(CBDTM)を採用した、体系的に実施するためのHRAガイドを開発した。
また、本ガイドの分析手法を外部事象や過酷状況下でのHRAに用いる際の課題点を明らかにし、今後の新定量化手法開発の開発要素を整理した。 本報告では、このHRAガイドの概要及び、実施例等を報告する。