2019年春の年会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 503-1 原子炉化学,放射線化学,腐食化学,水質管理

[1D06-10] ラジオリシス、腐食化学1

2019年3月20日(水) 16:05 〜 17:25 D会場 (共通教育棟2号館 1F 12番)

座長:加治 芳行(JAEA)

17:05 〜 17:20

[1D10] 亜鉛注入によるインコネル材表面に形成された酸化皮膜の微小観察

*前田 哲宏1、甲川 憲隆1、向井 悟1、高阪 裕二1 (1. ニュークリア・デベロップメント(株))

キーワード:亜鉛注入、酸化皮膜、走査型電子顕微鏡(SEM)、走査型透過電子顕微鏡(STEM)、被ばく低減、加圧水型原子炉、1次冷却材

PWRプラント1次系の被ばく低減対策として適用されている亜鉛注入は、Co取込抑制及び腐食抑制の効果は確認されているが、亜鉛注入によって形成される酸化皮膜の微細構造とこれらの抑制効果との相関は明らかになっていない。本研究では、PWR1次系模擬環境下における亜鉛注入有り/無しの水質条件でインコネル表面に酸化皮膜を形成させ、SEM/STEMによりその微細構造を観察した。得られた微細構造観察結果に基づき、被ばく低減メカニズムについて考察した。亜鉛注入によって形成された酸化皮膜では、表層に亜鉛クロマイトの結晶層が、下層に非晶質の酸化クロム層が観察された。前者は、従来より説明されてきたCo取込み抑制効果に機能し、後者は、腐食抑制(母材からのNiの溶出抑制)効果に対して機能すると考察した。