日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

インターナショナルセッション(ポスター発表)

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-CG 宇宙惑星科学複合領域・一般

[P-CG11_28PO1] Instrumentation for space science

2014年4月28日(月) 18:15 〜 19:30 3階ポスター会場 (3F)

コンビーナ:*松岡 彩子(宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 太陽系科学研究系)、吉川 一朗(東京大学)

18:15 〜 19:30

[PCG11-P11] 水星探査機BepiColombo MMO の磁気対策結果

*松岡 彩子1中澤 暁2 (1.宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所、2.宇宙航空研究開発機構 月惑星探査プログラムグループ)

キーワード:水星, 磁場

水星は、地球型惑星では地球の他に唯一双極子的な惑星規模の磁場を持つ惑星である。しかし、その表面における磁場は、地球の約100分の1と小さい。このため、太陽風の変動の影響が磁気圏の深部にまで直接的に影響し、磁気圏が短い時間スケールで大きく変動することが予想されていた。2011年に水星の周回軌道に入った米国のMESSENGER によって、水星の磁場の観測が進められている。しかし、前述のとおり太陽風の変動による磁場変化が大きいこと、MESSENGER の低高度軌道が水星の北半球に偏っていることから、水星の固有磁場の精密な同定には至っていない。2016年打ち上げ、2024年1月水星到着予定の水星探査機BepiColombo は、JAXA によって開発・製造された磁気圏探査機 MMO が、ESAによって開発・製造された惑星表面探査機 MPO と共に水星の磁場環境を観測し、水星の周辺の磁場を偏ることなく測定すること、複数点における観測で太陽風の変動の影響を分離することにより、水星の固有磁場を精度良く決めることを主目標の一つとしている。精密な磁場観測のためには、高精度の磁力計を搭載することはもちろん、衛星自体の出す磁場ノイズを低減することが重要である。このため、MMO の設計・製作において、磁場ノイズを出す機器へ対策を施し、適切な管理を行うことに多くの労力が割かれた。本講演では、MMO における磁場ノイズ低減の内容と、システムEMC試験における評価結果を報告する。