日本地球惑星科学連合2014年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM33_1PO1] プラズマ宇宙:観測・実験の計画・手法,装置開発,プラズマ計測

2014年5月1日(木) 18:15 〜 19:30 5階ポスター会場 (5F)

コンビーナ:*松清 修一(九州大学大学院総合理工学研究院流体環境理工学部門)、杉山 徹(独立行政法人海洋研究開発機構 地球シミュレータセンター)

18:15 〜 19:30

[PEM33-P01_1] NICT新太陽電波望遠鏡-II

*久保 勇樹1亘 慎一1石井 守1石橋 弘光1岩井 一正2 (1.情報通信研究機構、2.国立天文台野辺山太陽電波観測所)

キーワード:太陽電波, 太陽コロナ, 電波スペクトル計, 宇宙天気

太陽電波バーストは、宇宙天気予報を行う上で監視すべき重要な現象の一つであると共に、太陽コロナ中でのCMEや衝撃波の伝搬、粒子加速・輸送等、コロナ中の高エネルギー現象を研究するための基礎データとしても重要である。GHz帯で観測されるバーストは太陽フレアや太陽コロナ中で生成される高エネルギー粒子の加速・輸送過程を反映している。その高エネルギー粒子が励起するコロナ中のプラズマ波動は、モード変換を受けることで電磁波として放射され、結果としてMHz帯の太陽電波バーストとして観測される。このように、GHz帯とMHz帯それぞれで観測される電波バーストは、コロナ中の高エネルギー粒子を軸として密接に関連している。したがって、コロナ中での高エネルギー現象を統一的に理解するためには、GHz帯からMHz帯までの非常に広帯域を連続的に、しかも高時間分解能で分光観測する必要がある。しかし、GHz帯からMHz帯までをカバーしている太陽電波分光計は世界的に見ても少ない。現時点で、世界で最も広帯域をカバーする太陽電波分光計はスイスのPhoenix-4であり、その帯域は100MHz~4.0GHz、時間分解能は125ミリ秒であるが、フレアによる粒子加速を直接観測するには、さらに高い周波数での高時間分解能分光観測が要求される。現在、NICTでは世界最高の周波数帯域(70MHz~9.0GHz)と時間分解能(8ミリ秒)を持つ新太陽電波望遠鏡の開発を行っており、2014年3月にアンテナの建設が完了し、テスト観測段階に入る予定となっている。本講演では、NICTで開発中の新太陽電波望遠鏡の現状を紹介する。