JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-OS 海洋科学・海洋環境

[A-OS29] 「国連海洋科学の10年」に向けた海洋研究計画の提案と議論

コンビーナ:安藤 健太郎(海洋研究開発機構)、近藤 能子(長崎大学)、岡 英太郎(東京大学大気海洋研究所)、Sanae Chiba(JAMSTEC)

[AOS29-P03] 魅力的な「国連海洋科学の10年」を目指して

*安中 さやか1窪川 かおる2原田 尚美1 (1.国立研究開発法人 海洋研究開発機構、2.帝京大学)

キーワード:国連海洋科学の10年、男女共同参画、海の女性ネットワーク

海洋科学を専門とする研究者の女性の割合の世界平均は、38%である(Global Ocean Science Report 2017)。アメリカでは、学位を取得する学生の女性割合は40%を超えており、過去10年間において、学生から上級管理職まで、全てのレベルにおける女性割合が5-15%増加したことが報告されている(Women in Oceanography 2015)。一方、日本海洋学会会員の女性比率は1990年代から2000年代にかけて、5%以下から10%超へ増加したものの、2000年代後半からは、約12%で頭打ち傾向にある。内閣府の報告によると、多様性を重視する職場ほど、就職先としての魅力が高く、勤続年数は長くなる傾向にあり、各種経済指標もよい(内閣府2019)。海洋科学が魅力的な分野であり続けるためには、多様性の確保が重要であるといえる。もちろん、海洋科学の魅力を積極的に発信することで、海洋科学に興味を持つ人や海洋科学を志す人を増やし、海洋科学のすそ野を広げることも重要である。「国連海洋科学の10年」にも多くの女性が興味を持ち、参加し、リーダーシップを執ること、そして、それらの女性達が、さらに多くの人たちを引き付ける発信者となることを期待する。

一方、海洋の分野において女性が、まだまだ少数派である現状を鑑み、ひとりひとりの活動を支援する場として、2018年に「海の女性ネットワーク」が設立された。自然科学から社会科学まで、そして、研究者からジャーナリストまで、様々な分野や職種の人々が参加していることが特徴である。毎月1回のWeb会議、機関誌発行、SNSとホームページによる発信、青少年のためのアウトリーチなどに取り組んでいる。また、このネットワークを介して培われた人脈は、会員個人の活動でも大いに役立っている。今後は、社会への発信の中に「国連海洋科学の10年」に関する計画や成果を取り込むとともに、各会員の「国連海洋科学の10年」に貢献する研究活動への支援もしていきたい。