JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI41] 情報地球惑星科学と大量データ処理

コンビーナ:村田 健史(情報通信研究機構)、本田 理恵(高知大学自然科学系理工学部門)、野々垣 進(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、堀之内 武(北海道大学地球環境科学研究院)

[MGI41-13] フィールドモニタリングシステムを用いた高精細画像データ収集とその応用

*小林 一樹1 (1.信州大学)

キーワード:フィールドモニタリング、高精細画像、IoT、深層学習

本発表では,農園において植物の画像を収集するフィールドモニタリングシステムによる高精細画像データの収集と,その応用について紹介する.植物生長の順調さや病気の徴候は植物体表面の色彩変化を伴うことが多い.そのため,高精細が画像を取得し,リファレンスとなる画像と比較したり,時間経過による変化を詳細に観察することで,生育状態に関する情報を抽出できる.これまで,ブドウ,リンゴ,クリ,ナシといった果樹を中心に2009年から屋外における観測を実施し,データを蓄積している.観測には,独自に開発したモニタリングシステムを使用しており,一眼レフカメラを自動制御することで1時間ごとの農園の画像を撮影し,モバイル通信を通して撮影画像をサーバ上に収集している.一眼レフカメラで撮影された画像は,サイズが大きく扱いにくい問題があるため,サーバ上では撮影画像収集時に,1枚の画像から約5000枚の画像ピラミッドを生成し,Web上で素早く全画像にアクセスするためのアプリケーションを開発した.また,この画像表示アプリケーション上では,画像上にアノテーションを付与する機能を実装し,深層学習における訓練データを生成することも可能である.このアノテーション機能を利用し,画像の中からリンゴ果実部分を自動的に検出して,そのサイズ情報抽出するシステムを構築した.また,画像表示アプリケーションにおいては,画像上に付与したアノテーションをFacebookやTwitterといったSNS上で簡単にシェアする機能を実装し,複数の作業者間での情報共有を行ったり,広く一般消費者からのアノテーション付けを促すことで,画像へのメタデータを増加させる取り組みを行っている.本システムの応用や可能性について広く議論したい.