JpGU-AGU Joint Meeting 2020

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 O (パブリック) » パブリック

[O-04] 高校生によるポスター発表

コンビーナ:原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、道林 克禎(名古屋大学 大学院環境学研究科 地球環境科学専攻 地質・地球生物学講座 岩石鉱物学研究室)、久利 美和(気象庁)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構)

[O04-P27] 「固体版クロマトグラフィ」をめざして 〜微小重力を用いた磁場勾配による固体粒子の分離と非破壊同定〜

*北田 悟1花崎 卓哉1奥野 優一郎1岩本 亮太2間石 啓太3岡田 京弥3 (1.大阪府立今宮工科高等学校 定時制の課程 、2.大阪府立大手前高等学校 定時制の課程、3.大阪府立春日丘高等学校 定時制の課程)

キーワード:微小重力、反磁性物質、磁気分離、固体版クロマトグラフィ

微小重力下で単調減少する磁場中に解放された固体粒子は磁気力を受けて並進運動する.このとき粒子の加速度は粒子の質量に依存せず物質固有の磁化率のみに依存する.したがって,粒子は物質の種類ごとに別々の集団に分離して並進することが期待される.この原理を用いて,小型ネオジム磁石と自作の微小重力発生装置により,固体粒子の混合物を物質の種類ごとに分離・回収できる事を実証した.実験に必要な微小重力は,小型の落下ボックス(30×30×20cm)内に発生させた.落下距離は1.8m,微小重力継続時間は約0.5秒である.落下ボックス内にネオジム磁気回路,記録用高速度カメラ,試料回収板,照明器具を配置した.反磁性体の無機物質6種と有機物質6種の粒子は,回収板の上に物質ごとに異なる粒子群として回収することができた.記録された粒子の運動を解析することで試料の磁化率χを求めることができる.したがって,分離した回収板上の粒子の位置と磁化率χとの相関が得られる.すなわち,回収板上の位置から物質の種類が推定できることになる.精密分析に先立って固体混合物を物質の種類ごとに分離する「固体クロマトグラフィ」技術として開発への応用が期待される.