JpGU-AGU Joint Meeting 2020

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[J] 口頭発表

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[O-05] 日本のジオパークから日本列島の成り立ちを知る

2020年7月12日(日) 14:15 〜 15:45 Ch.2

コンビーナ:松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、市橋 弥生(佐渡ジオパーク推進協議会)、今井 ひろこ(コムサポートオフィス/和歌山大学国際観光学研究センター)、小原 北士(Mine秋吉台ジオパーク推進協議会)、座長:郡山 鈴夏(山陰海岸ジオパーク推進協議会)

14:45 〜 15:15

[O05-02] 日本列島の化石とジオパーク

★招待講演

*相場 大佑1,2 (1.三笠市立博物館、2.三笠ジオパーク)

キーワード:化石、古生物学、日本列島、ジオパーク

化石とは、地質時代に生息した生き物の遺骸や活動の痕跡が地層中に保存されたものを指す。日本列島は古生代カンブリア紀から新生代第四紀まで幅広い地質時代の地層から構成されており、脊椎動物化石、無脊椎動物化石、植物化石、微化石など様々な古生物の化石が豊富に産出する。これらの化石を研究することで、地層の堆積当時の古環境や生態系、生物進化、大量絶滅などの詳細を明らかにすることができる。化石は日本列島の形成史および現在の動物相・植物相の成り立ちを語る上では欠かせない。
国内のいくつかのジオパークでは、化石は地域の地質や歴史、産業を語る上で重要な存在となっている。例えば、三笠ジオパークがある三笠市では、明治時代に炭鉱の開発に伴ってアンモナイト化石が発見された。この発見の背景には北海道の大地の形成史があり、当地域で顕著に見られる地質構造が関係しているため、決して偶然ではない。また一方で、現在の主要産業である農業においても化石は無関係でなく、例えばワイン葡萄の栽培では、微化石「珪藻」を含む硬い地層が日当たりの良い斜面を形成し、さらに貝化石などを含む様々な地層が狭い範囲に分布していることが複雑な味わいを生むのだという。
本講演では、日本列島における化石と、それらを扱った古生物学研究を概観する他、国内ジオパークにおける化石の関わりや具体事例などを紹介する。