開発機械（2）

[PY-06] 砂礫地山における地山特性および礫の特性がシールドマシンカッタービットの摩耗特性に及ぼす影響

○浦田 築¹、笹岡 孝司¹、濵中 晃弘¹、島田 英樹¹、一ノ瀬 政友² (1. 九州大学、2. 都市環境基盤センター)

キーワード：ビット、シールド工法、砂礫地山、礫含有率、礫粒径

都市部の地下におけるインフラ施工では，周辺環境に配慮するため，一般に非開削工法が適用されており，その中の一つにシールド工法が挙げられる。シールド工法とは，シールドマシンを地中に押し込み，その先端部で掘削を行い，トンネルを掘削する工法であるが，掘削距離の増加や砂礫地山での施工の増大等，施工条件が多様化しており，掘削ビットの摩耗形態が多様化・複雑化している。本研究では砂礫地山におけるビットの摩耗量を定量的に評価するため，模擬地盤試料を用いて，一軸圧縮試験，Cercher摩耗試験，旋盤試験を実施することで，地山の特性および礫の特性がビットの摩耗に及ぼす影響について種々検討した。その結果，礫含有率が増加するにつれてビットの摩耗量は大きくなり，石英含有率が大きい礫を含むほど，ビットの摩耗量は大きくなることが分かった。また，礫粒径が小さくなると，同じ礫含有率で，ビットの摩耗量が大きくなり，ビットの摩耗に及ぼす石英の影響や礫以外の砂や粘土の影響が大きくなることが確認された。以上より，砂礫地山ではビットの摩耗状況を検討する際，礫含有率と礫粒径の影響を考慮する必要があることが明らかとなった。