2024年度組織学会年次大会

特別セッションⅡ

大会2日目(14:00-16:00)会場:BIGホール100(120分)


データ・サイエンスと組織
「見えないものが見えてくるとき、拓けてくる研究フロンティア」


 登壇者 
◎矢田勝俊(関西大学)
 鷲尾隆 氏 (大阪大学,(国)産業技術総合研究所NEC-産総研連携研究室室長
 津本周作 氏(島根大学,人工知能学会会長
 里村卓也 氏(慶應義塾大学,日本消費者行動研究学会会長
◎:セッション・リーダー

 講演内容 
 計測は科学の母(Mother of Science)として、科学の進歩をもたらし、新しい価値を生み出すイノベーションの源泉とされてきた。本来、管理は見えるものを対象としてきたが、いつしか見たいものだけを対象にし、視野を狭めてしまう危険を伴う。それだけに見えないものが見えたとき、既存のパラダイムが大きく変わることもある。元来、経営学は見えないものへのリスペクトを常に意識してきた。近年、様々な先端の計測技術は従来、見えなかったものを明らかにすることで、実務、学術の分野でフロンティアを開拓してきた。本セッションでは、多様な分野において、新しい計測技術がどのような事象を補足し、新しい価値を創造してきたのかを紹介する。

 
 登壇者のご紹介 
 



矢田勝俊(関西大学)

 登壇者プロフィール 
 関西大学) -経営情報-
 先端の情報技術は事象の詳細な変化について、膨大なデータを生成させている。センサー、IoT等によって人の動きを追跡することは、人の行動の原理を知るきっかけとなり得る。本セッションでは、様々な領域における先駆者の経験から、これか
らの組織論に向けての示唆を探る。
 
 
鷲尾 隆 氏 (大阪大学)
 
 登壇者プロフィール 
(大阪大学,(国)産業技術総合研究所NEC-産総研連携研究室室長、(国)科学技術振興機構CRES領域総括) -計測科学-
 計測技術の進歩はこれまでのブラックボックスであった事象を次々と明らかにすることで、新しい研究領域を切り拓いている。どんな計測技術がどんな研究領域を生み出すのか、具体例で紹介。また、既存研究における慣性についても触れる。
 
津本周作 氏(島根大学)

 登壇者プロフィール 
(島根大学、人工知能学会会長) -医療情報-
 オーダーの出し方が見えてくるだけで、診療のプロセスを見通すことができ、個々の医者の診断の内容、癖も露わになる。新しい計測技術の導入が、個人の行動、組織のルーチン、手続き・オペレーションの問題に取り組む重要なきっかけとなる。病院の医療情報システムの事例を通して紹介。
 
里村卓也 氏(慶應義塾大学)

  登壇者プロフィール 
(慶應義塾大学、日本消費者行動研究学会会長) -消費者行動-
 目は口ほどにものを言う。人の関心、注目は目に現れると言われる。近年のアイトラッキング技術は人の視線を追跡することを可能にし、従来、ブラックボックスであった人の関心のプロセスを明らかにすることができる。アイトラッキング技術がどのように消費者行動におけるフロンティアを開拓してきたかを紹介する。