[B03] 数10~数100MeV/uの細いイオンビームを用いた径方向のエネルギー付与分布測定
キーワード:マイクロドシメトリ, 壁なし型組織等価比例計数管, Radial dose分布, 線エネルギー
イオンビームに対する生物効果を実験的に評価する上で、入射ビームの飛跡およびその近傍における詳細なエネルギー付与分布データは重要である。これまでに本研究では, マイクロドシメトリ用の壁なし型組織等価比例計数管を用いて,炭素イオン等について幅広い照射ビーム条件における線エネルギー(y)分布データを取得し,yはエネルギー付与の指標として適していることを示した。今回,機構で開発されたy分布計算モデルを詳細に検証するために,直径数mmのペンシル状ビームを用いて,ヘリウム,炭素および鉄イオンについて径方向のy分布およびRadilal dose 分布データを取得し,計算モデルと比較した。その結果,計算モデルでは入射イオンと二次粒子の寄与を独立して表現することに起因して、数100keV/μm 以上の高LET イオン入射の場合、同モデルによる結果は実験で得られたy 分布を過小評価することがわかった。