日本原子力学会 2014年春の年会

講演情報

一般セッション

I. 総論 » 101-3 原子力の安全文化とリスクマネジメント・品質保証

[C01-06] 原子力開発戦略と政策,哲学

2014年3月26日(水) 10:20 〜 12:00 C (2号館 22B)

座長:藤原充啓(東北大)

[C04] フランスにおける原子力政策立案のための情報集約システム

木村謙仁1, 木村浩2 (1.東大大学院工学系研究科原子力国際専攻, 2.特定非営利活動法人パブリック・アウトリーチ)

キーワード:フランス, 議会, 議会科学技術政策評価局, 安全規制, 放射性廃棄物

原子力という巨大な技術システムに関する政策の立案にあたっては、多様な観点からの意見や知識を集約し、それらを基にした議論を通じて意思決定を行っていくことが不可欠である。しかし、現在の日本ではそのためのシステムの整備が十分とはいえず、特に最終的に立法を行う議会が主体的に関与するような組織や制度が存在しないことによって、実行力や継続性を持たせることができていないという問題があると指摘できる。これの問題に対して本研究は、フランスの議会における科学技術政策に関する問題の調査・評価組織であるOPECST(議会科学技術政策評価局)と呼ばれる組織を解決の端緒として扱いたい。OPECSTが原子力安全規制や放射性廃棄物問題といった具体的な事例に対して、どのように論点を設定し、議論を進めてきたのかを明らかにすることで、そのプロセスの中に上述の問題を考えるうえで有効なシステムを見出すことができると考えられる。