[E17] 純鉄の水腐食によるトリチウムの取り込みおよび透過挙動
トリチウム水を安全に貯蔵または輸送する際に、腐食により発生したトリチウムの一部が材料中に取り込まれ、外部に透過漏洩することが懸念されている。本研究では、30~80℃の一定温度において、純鉄をトリチウム水中で腐食させることにより、発生したトリチウムがどのように純鉄中に取り込まれ、透過してくるのかを液体シンチレーション計測法により調べた。トリチウム透過過程は初期と後期との2過程に分けられることがわかった。透過の初期過程では、トリチウムの透過速度は一定であり、定常透過であることが示唆された。後期過程では、トリチウムの透過速度が小さくなり、長期間経過後にはトリチウムの透過が極めて少なくなる傾向がみられた。発表では、純鉄の腐食により発生した水素(トリチウム)のフガシティおよびトリチウム透過速度の温度依存性について議論する。