日本原子力学会 2014年春の年会

講演情報

一般セッション

V. 核融合工学 » 501-2 核融合炉材料工学(炉材料,ブランケット,照射挙動)

[E33-38] 水素同位体挙動

2014年3月27日(木) 15:20 〜 16:55 E (1号館 11B)

座長:秋吉優史(京大)

[E36] 先進トリチウム増殖材料微小球の長時間アニーリング試験

星野毅1 (1.JAEA)

キーワード:先進トリチウム増殖材料, リチウムセラミックス, 微小球, エマルジョン法, 核融合炉

トリチウム増殖材料は、良好なトリチウム放出特性を得るため、5μm以下の結晶粒径を有する微小球が必要である。この微小球は、核融合炉にて高温・長時間使用されるため、エマルジョン法にて試作した先進トリチウム増殖材料(Li添加Li2TiO3)微小球の、長時間アニーリング試験を行い、結晶粒径の経時変化を観察した。トリチウムバージガスである水素添加ヘリウムガス(1%H2-He)雰囲気中にて、ブランケット設計の最高使用温度である900℃に管状炉を用いて加熱し、64日間保持した際の結晶粒径の変化を電子顕微鏡(SEM)にて観察した。その結果、加熱前後で微小球の結晶粒径は変化せず、トリチウム放出特性に優れた5μm以下の結晶粒を維持できていることを確認した。この結果は、Li添加Li2TiO3微小球の化学的安定性の高さを示しており、先進トリチウム増殖材料の早期ブランケット装荷へ向け、大きく前進した。