[E54] ITER grade Wの引張強度特性の温度依存性と破面観察
キーワード:タングステン, 引張試験, 破面, 温度依存性, 核融合炉, ダイバータ材料
ITER、原型炉のダーバータ板の表面材料として、タングステンが使用される計画である。このダーバータ板の表面はプラズマから高熱・高粒子負荷を受け損傷が発生することが懸念される。特に、熱負荷では、定常熱負荷時やディスラプション、ELMs時に高熱負荷を受け、その際発生する熱応力により損傷が発生することが考えられる。このような材料評価を行うためには、まず、タングステンの基本的な強度特性を調べる必要がある。本研究では、ITER grade Wの引張試験を室温から1600℃まで行い、応力-ひずみ曲線の温度依存性を調べた。また破壊後の破面の組織観察を行い、破壊挙動について調べた。高温になるほど引張強さは小さくなっており、延性域の温度では圧延方向の違いによる引張強さ、降伏応力、全ひずみの大きな差はなかった。また、1600℃になると全ひずみ量は急激に増大した。