日本原子力学会 2014年春の年会

講演情報

一般セッション

IV. 核燃料サイクルと材料 » 405-2 放射性廃棄物処分と環境

[I32-34] Csの挙動2

2014年3月27日(木) 14:30 〜 15:20 I (1号館 11F)

座長:稲垣八穂広(九大)

[I33] 吸着剤を用いた土壌からのセシウムの脱離速度の決定

室田健人1, 斉藤拓巳1, 田中知1 (1.東大)

キーワード:セシウム, 土壌, 吸着, 脱離, 吸着剤, 除染

福島第一原子力発電所の事故により、多量の放射性物質が大気中に放出され、広い範囲が汚染された。特に、半減期が長い放射性セシウムは土壌中での移動速度が小さいことが知られており、その動態の理解は汚染地域における社会生活の復旧に不可欠である。我々は、これまで、土壌中の雲母系鉱物にセシウムを特異的に吸着するサイトが存在することを指摘してきた。土壌中のセシウムの移動は、そのような粘土鉱物への吸着とそこからの脱離のバランスによって決まると考えられる。しかし、再吸着や共存イオンによる粘土鉱物層間の崩壊に伴うセシウムの固定化が起こるため、土壌からのセシウムの脱離速度の決定には困難が伴う。そこで、本研究では、福島第一原子力発電所事故による汚染地域の土壌を対象に、比較的低濃度の競合イオンによる層間の崩壊の抑制、および、吸着剤を用いた再吸着の抑制下で脱離実験を行い、土壌からのセシウムの脱離反応の速度定数を求める。