日本原子力学会 2014年春の年会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 304-1 伝熱・流動(エネルギー変換・輸送・貯蔵を含む)

[M52-54] 軽水炉プラント基盤技術2

2014年3月28日(金) 11:10 〜 12:00 M (1号館 12L)

座長:日高政隆(日立)

[M53] 超音速蒸気インジェクターの吐出噴流挙動が作動限界に及ぼす影響

佐藤喬亮1, 阿部豊1, 金子暁子1, 森治嗣2 (1.筑波大, 2.北大)

キーワード:蒸気インジェクター, 二相流, 作動限界

蒸気インジェクター(SI)は水と蒸気の直接接触凝縮を駆動力とする噴流ポンプである.無電源で作動し,高い熱交換性能を持つことから,原子力発電所における安全システムとしての利用が期待される.既存の研究において,SI は蒸気が完全凝縮し,水単相流となって吐出されることが作動条件と考えられていたが,吐出噴流においても二相流領域が存在することが観測された.しかしながら,その二相流領域がSI の作動限界に及ぼす影響は未だ明らかになっていない.
そこで本研究ではSI の二相流挙動が作動限界に及ぼす影響を解明することを目的とし,吐出噴流に着目して圧力計測と可視化計測を行った.これにより吐出噴流においても負圧である領域が存在し,正圧へと急激な圧力上昇が発生する地点にて流動構造の変化する様子が確認された.同時に圧力波の伝播が観測され,その伝播速度からボイド率を見積もった. 以上から二相流領域を考慮したSI の作動限界について考察した.