2016年秋の大会

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VI. 保健物理と環境科学 » 保健物理と環境科学

[1J08-12] 環境放射能1

2016年9月7日(水) 14:45 〜 16:05 J会場 (久留米シティプラザ 中会議室)

座長:服部 隆利(電中研)

15:15 〜 15:30

[1J10] 海底土セシウムの脱着反応過程の解明

*瀬川 優佳里1、熊谷 友多1、渡邉 雅之1、乙坂 重嘉1、小林 卓也1 (1.日本原子力研究開発機構)

キーワード:セシウム、海底土、脱着、環境放射能

これまで、セシウム(Cs)が土壌鉱物に吸着される場合、脱着による溶出は、ほぼ起こらないと考えられてきた。しかしながら、福島第一原子力発電所事故後の環境調査の結果は、海底土に吸着したCsが継続的に溶出もしくは懸濁物に付随して移行していることを示唆している。長期的なCsの移行挙動の数値解析による予測を行う上で、溶出、脱着過程の解明は、重要である。本研究では、海底土からのCs溶出挙動を長期間連続的に観察し、Csの脱着反応モデルを導出することを目的としている。吸着反応を抑制し、脱着反応のみを観測するために、海底土環境試料に連続的に人工海水を通水した。海底土試料に含まれる放射性Csの放射能の時間変化をガンマ線スペクトロメトリにより3ヶ月間継続的に観測した。その結果、海底土の放射能の減衰が実際の環境調査の結果よりも速いことを明らかにした。