2016年秋の大会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学 » 201-1 原子核物理,核データ測定・評価・検証,核反応工学

[1N06-07] 光核反応

2016年9月7日(水) 11:20 〜 12:00 N会場 (くるめりあ六ツ門 会議室)

座長:片渕 竜也 (東工大)

11:35 〜 11:50

[1N07] 17MeV入射光子からの光核反応による中性子スペクトルの偏光依存性

*桐原 陽一1、糸賀 俊朗2、佐波 俊哉1,3,4、中島 宏5,4、波戸 芳仁1,3、宮本 修治6、武元 亮頼6、山口 将志6、浅野 芳裕4,6 (1.KEK、2.JASRI、3.総研大、4.理研、5.原子力機構、6.兵庫県立大)

キーワード:中性子スペクトル、直線偏光光子、光核反応、巨大双極子共鳴、NewSUBARU

高エネルギーの電子加速器施設では、電子の制動放射によって生成された高エネルギー光子は、光核反応を引き起こす。そのため遮蔽の観点から、光核反応起因による中性子の線量分布や放射化の影響を見積もる必要がある。近年、直線偏光光子による巨大双極子共鳴領域の光核反応において、中性子の方位角分布の異方性が実験的に立証された[1]。本研究は、直線偏光光子の遮蔽への影響を知るために、17 MeVの直線偏光および円偏光光子による光核反応からの中性子スペクトルの測定を行った。測定は、NewSUBARU-BL01においてレーザーコンプトン散乱γ線をAu-197に照射し、光核反応からの中性子をTOF法を用いて行った。結果、直線偏光を入射した場合、中性子エネルギーが高くなるにつれ中性子収量は増加した。また直線偏光と同方向の場合、偏光の影響はエネルギーに非依存であった。直線偏光と直角方向の場合、中性子エネルギーが高くなるにつれ中性子収量は減少した。発表では、これらの結果を示すとともに輸送コードによる偏光依存の無い計算との比較も行う予定である。[1] K. Horikawa et al., Phys. Lett. B 737, 109 (2014)