2016年秋の大会

講演情報

一般セッション

IV. 核燃料サイクルと材料 » 402-1 炉材料とその照射挙動

[2B09-12] 構造材料

2016年9月8日(木) 14:45 〜 15:50 B会場 (久留米シティプラザ 展示室1)

座長:村上 健太(東大)

15:15 〜 15:30

[2B11] DEMO炉用鉄系複合材料の機械的特性

*佐和 雄樹1、橋本 直幸1、礒部 繁人1、今西 輝光2 (1.北大工、2.単層CNT研究機構)

キーワード:低放射化フェライト/マルテンサイト鋼、機械的特性

核融合実証炉(DEMO炉)のプラズマ対向機器材料の候補材料である低放射化フェライト鋼F82Hの熱伝導率は30W/m・K以下であり、熱交換機器への使用には不安が残る。当研究室で粉末のF82Hに高熱伝導性を有するカーボンファイバー(以下CF)とカーボンナノチューブ(以下CNT)とで、放電プラズマ焼結器でそれらを焼結することによって複合材料を作製し、F82Hの熱伝導率の改善を試みた。結果、F82H-30vol.% CF0.2%CNTの熱伝導率はF82Hの約1.7倍となり、熱伝導率の改善がなされた。また、熱伝導率の改善の手法として、タングステン線や銅線を複合させることも試みた。これらの複合材料を熱伝導率だけではなく、機械的特性の評価も必要である。従って、本研究では、F82Hならびに作製したF82H複合材料の機械強度を精査した。F82Hの引張強度は450MPaであり、JAEAで取得されたF82Hの引張強度標準データと比較して33%程度低く、破断伸びは0.27%という非常に小さな値となった。焼結体から作製した試験片は粉末F82H粒子の凝集体であり、得られた引張強度および破断伸びは粉末粒子同士の接合強度を反映した値であることが推察される。