2016年秋の大会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 306-1 原子力安全工学(原子力施設・設備,PSAを含む)

[2G18-22] 再処理施設のリスク評価1

2016年9月8日(木) 16:55 〜 18:15 G会場 (久留米シティプラザ スタジオ2)

座長:山野 秀将(JAEA)

17:55 〜 18:10

[2G22] 硝酸ウラニル水溶液の過渡臨界における水素ガス発生量の推定

*𠮷田 涼一朗1、山根 祐一1、阿部 仁1 (1.原子力機構)

キーワード:水素ガス、過渡臨界、硝酸ウラニル水溶液、G値、TRACY

溶液燃料の臨界事故では、核分裂に伴って水素ガスが発生することが知られているが、溶液の密度低下を通じた出力の一時的低減効果や、爆発などの二次的事故の誘因可能性から、その発生量を核分裂数と結び付けて精度よく推定することが臨界事故時の安全性評価上重要である。

過渡臨界実験装置TRACYで取得した、硝酸ウラニル水溶液の過渡臨界時に発生する水素ガスのベントガス中濃度の経時データは、反応度添加から500秒前後にピークに達することとその後の長いテールから、単純な拡散等の考え方では説明できない。

そこで、テイラー拡散等の複数のモデルを組み合わせることで炉心タンク内における水素ガスの移行挙動を計算し、水素ガス濃度を評価した結果、実験結果をよく再現できることを確認した。核分裂数あたりの水素ガス発生量の推定値は1018fissionあたり4molとなった。