[2I01-07] プルトニウム燃焼高温ガス炉

[2I01] プルトニウム燃焼高温ガス炉を実現するセキュリティ強化型安全燃料開発

(7)開発目的と進捗

*岡本 孝司¹、國富 一彦²、大橋 一孝³、木下 英昭⁴ (1.東京大学、2.日本原子力研究開発機構、3.富士電機株式会社、4.原子燃料工業株式会社)

キーワード：被覆燃料粒子、安全性、セキュリティ、直接処分、プルトニウム燃焼

高温ガス炉は、物理的な固有安全性により、炉心溶融事故を引き起こさないという特徴を持つ。この安全な高温ガス炉において、プルトニウムを燃料として利用することによって、プルトニウムインベントリを減らすとともに、安全にエネルギーを得る一石二鳥のメリットがある。この時、化学的に安定なYSZ(イットリア安定化ジルコニア)を用い、燃料核をPuO₂-YSZとすることで被覆粒子燃料からのプルトニウム回収は極めて困難となり、従来の酸化物燃料に比べて核セキュリティリスクを大幅に低減することができる。本研究では、プルトニウム燃焼高温ガス炉の安全性向上を目的として、被覆粒子燃料の主な破損原因である核分裂反応に伴う遊離酸素の分圧上昇を抑制するための研究開発、核熱設計、安全評価を行う。さらに、燃料の処分過程を含むライフサイクルのすべての過程におけるセキュリティと安全性の両立について評価を行う。