2016年秋の大会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 304-1 伝熱・流動(エネルギー変換・輸送・貯蔵を含む)

[2K01-06] 二相流・相変化1

2016年9月8日(木) 09:30 〜 11:10 K会場 (久留米シティプラザ 大会議室1)

座長:村瀬 道雄(INSS)

10:00 〜 10:15

[2K03] 海水プール沸騰熱伝達に関する研究

(2)伝熱面上における海水塩析出機構の検討

*上澤 伸一郎1、小泉 安郎1、柴田 光彦1、吉田 啓之1 (1.日本原子力研究開発機構)

キーワード:プール沸騰熱伝達、海水

福島第一原子力発電所事故において、炉心冷却のため海水が注入されたことから、海水の伝熱流動特性の評価が求められている。前報では、伝熱面に銅プリント基板を用いた海水プール沸騰熱伝達試験を行い、特定の熱流束以上では、一定の熱流束であっても、伝熱面温度が連続的に上昇することを明らかにした。これは、海水塩が伝熱面に析出し、その析出物が厚くなるためであった。本研究では、伝熱面上に海水塩が析出する機構を明らかにするため、前報と同様の海水プール沸騰実験を行い、伝熱面上に海水塩が析出する条件ならびに海水塩析出物の成長速度を得た。その結果、海水塩が析出する条件は熱流束と海水の海水塩濃度に依存し、海水塩濃度が高いほど、低い熱流束で析出が開始した。一方、成長速度は伝熱面近傍の過飽和度に依存した。このように、伝熱面近傍の海水が沸騰蒸発によって濃縮されることで、伝熱面上に海水塩が析出すると考えられる。