2016年秋の大会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学 » 203-3 ビーム利用・ターゲット

[2N01-05] 中性子飛行時間法

2016年9月8日(木) 09:30 〜 10:50 N会場 (くるめりあ六ツ門 会議室)

座長:豊川 弘之(産総研)

10:30 〜 10:45

[2N05] 試料の回転運動が中性子共鳴吸収ピーク形状に及ぼす影響

*上地 将斗1、加美山 隆1,2、原 かおる2、長谷美 宏幸2、佐藤 博隆1,2、大沼 正人1,2 (1.北海道大学大学院工学院、2.北海道大学大学院工学研究院)

キーワード:中性子共鳴吸収ピーク、飛行時間法、PHITS、温度測定

即発γ線計数型中性子共鳴吸収分光法は、原子核による中性子の共鳴吸収時に発生する即発γ線の計数と中性子の飛行時間法を組み合わせることで共鳴吸収スペクトルを測定する技術である。原子の熱振動の影響を受け変化する共鳴吸収ピークの形状を解析することで、非接触・非破壊で物体内部の温度を測定可能である。本研究の目的は、共鳴核種を温度センサとしてモーターなどの機械の部品に取り付け、作動中機械の部品の温度測定を行うことである。このとき、原子の熱振動以外の影響でのピーク形状の変化がないか調べる必要がある。そのため、まず共鳴核種の位置の変動が共鳴吸収ピークの形状に及ぼす影響をシミュレーション計算により検討した結果、共鳴吸収線幅が拡がることがわかった。これは、共鳴核種の位置が変化することにより、中性子捕獲のタイミングに拡がりが生じ、飛行時間法による共鳴エネルギー分析精度が下がるために起こると考えられる。